2008年5月1日木曜日

Term4終了

昨日、Term4が終了しました。

今タームは、前タームの方向を継続し、学んだ知識を使って

いかに斬新なアイディアを考え出すことができるか、

にフォーカスすることがテーマでしたが、結果的には、

Term1、Term2に近い知識吸収型の科目が多く、

テーマとのずれが生じたタームでした。



とった科目は、

「DecisionModel」「Negotiation」「Valuation」「Investment」

の4つ。



「DecisionModel」

結論からいうと、この科目が一番学びが多く楽しかったですね。

Treeplan(DecisionTree),Crystalball(シミュレーション),Solver(最適化)というツールを使って、

期待値、不確実性、最適化をしながら、数字ベースで最適な解を導いていく、というのが概要。

ケースでは、訴訟、投資計画、資材調達計画などが多かったですが、自分の経験からすると、

会社の立ち上げフェーズにおける採用計画を、期待収益率や、費用予測をベースに、キャッシュが

ネガティブにならない、という制約を守りながら、いかに最適化するか、なんてテーマは、

うしろ2つのツールがうまく適用できそうな感じですね。また、例えば年1000万円ほどのBudgetを、

マーケティング活動に費やし認知度を高めるほうがよいのか、営業を1人増員したほうがいいのか、

追加で新たな情報が転がり込んでくる中、どのタイミングで、どちらを選択するか、なんて意思決定は、Treeplanが役にたちそうです。何より一番大事だな、とおもったのは、可能性、不確実性などを、正確に数値化する能力、物事を判断する際に、数値化する癖をつけることです。GarbageIn、GarbageOut。

「Negotiation」

勿論交渉術を学びました。授業の前半(60分)は、BATNA(Best Alternative to a negotiated agreement:交渉する以前の最適な選択肢)や、Aspirationレベル(目標値)、ReferencePoint(最低値)を予め決めて、交渉に臨むこと、Anchoring(先に価格レベルを提示することにより、交渉の基準を作る)、ScoringSheetの作成(交渉の評価軸、例えばソフトウェアであれば、価格、購入時期、保守条件などについて、Aspirationレベル(例えば1億円)からReferencePoint(2000万円)までRangeを決め、それぞれに点数をつける)、背反利害、一致する利害を交渉により探りながらお互いのPieを大きくしていく、などなど、交渉のフレームワークを学び、後半は、ケースを用いて、交渉をし、その結果をシェアして、ユニークな結果を出したチームの経験を共有する、というもの。自分は、営業を6年やっており、自分なりの交渉術(マインドシェアを奪う、自分のソリューションしか選択できないくらい、相手のニーズを深く理解し、提案の次元をあげる、価格交渉になった場合、交渉価格を最終的には相手にいってもらう)はあったが、今から過去の経験を振り返ってみると、MarginalCost=0円のソフトウェアの営業はかなり特殊な環境で有効な交渉術なのだ、分かりました。上のフレームワークを前提に、実際のInclassNegotiationを通じ思ったのは、①Aspirationレベルをできるだけ高く設定すること、②Justification能力(言い訳、ですね)、③相手の利害を理解するための質問力、④信頼関係、です。特に自分にとっては、①、②はチャレンジでした。自分は、あまり欲深くないのか、いつも設定したAspirationレベルが相対的に低かったですね。それから②のJustification。日本語でも難しいのに、英語で交渉をするのは、1対1ならまだしも、GroupNegotiationになると、内容についていくのがやっとのことが多々ありました。

この2つの授業は、学びも多く、授業も楽しむことができ、満足できました。

③Valuation④Investment

この2つは、Technicalな要素を多く、個人的には、楽しめなかったですね。

特に、④Investmentは、授業がつまらず、後半は、まるで小生の学部時代の振る舞いを

思い出したかのように、授業には一切でない、という、ここにきてはじめての現象がおきました。

この2つの授業を通じてわかったのは、Financeは、宗教みたいなもの。例えば、Discount Dividend Model(DDM)や、Discounted Free Cash Flow Model(DCF)を用いて、企業価値を算定する際に、多くの仮定が前提になっております。DDMは、株の配当が将来にわたり増加していくことが前提、DCFでいうと、5年から10年後の成長率の仮定が前提、などです。未来とは不確実な要素だらけであり、その中で、今入手できる情報をもとに仮説をたて、それを正当化して、数値化して、皆に信じてもらい、自らも信じる。信念がかわると、大きく化けたり崩れたり。絶対に安定することのない世界ですね。皆が信じると、さらにそれを前提にあらたな信念がうまれ、そのサイクルを繰り返し増幅し、もとに信念が壊れると、その上にある前提が一瞬にして消えさってします。サブプライムや、日本のバブル、エンロンなんか、まさにその一例ですよね。

1年を振り返って、Why MBA?のテーマの一つであった、Broaden my knowledgeについては、目標達成できたと思います。特にStats、Finance、Accountingなどの数値系については、ほぼ来る前ゼロだったという背景もあったので、よく学べました。この1年、他の人に比べ、授業を多くとりました。恐らく平均的な人と比べると、4クラス(12単位)おおいはずです。反面、社交面においては、授業の予習で一杯になり、中途半端になっていました。2年目は、これから始まるサマーインターンでの経験をもとに、授業数を絞り、これまで学んだ知識を統合し、新しいアイディアを生み出し、議論する訓練、及び社交にフォーカスをあてて、おそらく人生最後となる学生生活をEnjoyしたい、と思っております。

さて、夏休みですが、Internshipは、5月26日からなので、約一ヶ月ほど時間があります。今嫁が一時帰国をしており、12日にかえってくるので、それまでは、ダーラムでおとなしく、復習や、読書などをたのしもうかなあ、と思っております。6月1日から、日本におりますので、お時間ありましたら、ぜひお声がけください。