2008年12月5日金曜日

備忘録的に

昨日・今日とGlobal企業のCEOが立て続けにDUKE MBAにやってまいりました。
その感想を以下備忘録として

1)KRAFT CEO Ms. Irene Rosenfeld

印象深い点のみ、以下箇条書き
-笑顔がトレードマーク(大事)
-CEO就任後は、Decentralization(権限委譲)により、Rewire initiativeを実施
(例:OREOは、OREOユニットとして、Global戦略を独自に運営するようにした、とのこと)
-Ms. Ireneにとっての、リーダーシップ
1.Diverse perspective(多様性を尊重する)
2.コミュニケーションが盛んに起こる職場の構築
3.Servant Leadershipの信者
とのこと
-KRAFTの競争優位とは、については以下の3つをあげていた。
1.お客様を理解する能力
2.R&D
3.営業力
所感:
お客様がKRAFTの製品をどう認知しているのか、いかに認知してもらうか、
という消費者の知覚・認識に比重を置いて、仕事をしていることが会話の
端々から感じ取れた。それが、食品ビジネスのキードライバーなのでしょう。

2)モルガンスタンレーCEO Mr. John Mack
リーマン倒産関連の話が中心でした。リーマンを倒産させてしまったことが
金融市場に対する信頼を完全に破壊してしまったが故に、それから連鎖反応で
皆が資金を資本市場から一気に引き上げ、証券資産が墜落し、Writedownの
嵐を巻き起こしてしまったのだ、と暗にポールソン・バーナンキを批判していました。
LBの話は、最初はBofAにいったようですが、断り(メリルの方がよかったのでしょう)
モルスタにも話がきたようなのですが、TOP顧客の25%以上が、いわゆるヘッジファンド
であることを理解し、手をださなかったようなことをおっしゃっておりました。
面白かったのは、自動車業界の質問に対し、「合併しかない」とかなりはっきり
おっしゃられていたことですね。戦略の授業では、企業は最終的には、
Differentiationか、Cost Leadershipのどちらかしか生き残れなくなり、それが
弱まるにつれて、エコノミックレンツがCompeted awayされていき、最終的に、
MC(限界費用)=AC(平均費用)=Priceに近づいていく、と教わったが、まさに
成熟期の企業では、これが多発し、結果M&Aに走り、規模の経済を利用した
コストリーダーシップの再実現に走らざるを得ない、ということなのでしょう。
いまや、日本のAutoMakerにDifferentiationも、Cost Leadershipも握られているので、
このままやっててもまず勝ち目はないですよね。だからこうなるのは、時間の問題だった、
とあらためて思いました。


2008年11月3日月曜日

ボストンキャリアフォーラム

金曜日(31日)、土曜日(11月1日)と、ボストンキャリアフォーラムにいってまいりました。
昨年はサマーインターンの機会を得るため、今年は、卒業後の就職のため、
ということで、フォーカスを絞って、活動をしてまいりました。
FP&Aという職種があります。日系企業では、このような職種を用意していない
ところが多いですが、外資系企業に多い職種で、財務データ及び非財務データを
分析し、大局的にビジネスの概要をとらえ、ビジネスの傾向、問題点を、他部門との
調整を図りながら、解決策を提案、実施を支援していく役割を担います。
データをベースに数的分析に完全に軸足をおいて、仕事をする、という部分が
いわゆる経営企画とは違うところでしょうか。この観点で募集をしているところに、応募しました。
総じていい感触でしたので、Offerをいただける、あるいは次のステップにいけることを
期待し、さらなる準備をしていきたい、と思っております。

就職という観点とは、少し離れるのですが、Venture企業に対する興味も相変わらず強く、
企業の理解を深める、という目的を一義に、2社ほどアプライをさせていただきました。

1社目は、Netpriceという会社。Gatheringという共同購買の仕組みで伸びた会社で、
今はその成功体験の横展開をインキュベーション専門の事業部をつくり、そこから
第二のNetpriceを作ろうとがんばっている感じです。
面白い、と思ったのは、「のり」と「Vision」と「会社同期が一人社員はいっていること」
です。
「のり」:要はカルチャー。二人の方とお話しましたが、いい空気を感じました。
「Vision」:「世界へ」、や「CEOを30人作る」とか、好奇心旺盛な子供が思い描く夢を
もっていること、またその夢にむかっていること。これってベンチャーの一魅力ですよね。
「同期が一人」:小生最初に勤めた会社から転職して、この会社にきている人多いです。

2社目は、WorksApplicationという会社。いわゆる国産ERPベンダー。Netpriceに比べると
相当大きい会社です。時価総額(現時点)でざっくり、Netprice(40億円)、Works(270億円)。
設立が96年。そこから270億円ものマーケットバリューをどうやって生み出したのか。
理由の一端を垣間見ることができました。
1)人材の採用プロセス:ここに妥協がないです。相当コストをかけております。筆記試験も、効率的に必要な基礎能力を把握するにふさわしいものでした。(尚、この教材はGlobisが作成したものです。もともとGlobisがCapitalをいれて、スタートした会社だったので、GlobisのVCとしての能力がこの人材採用という企業の継続成長に欠かせないプロセスにおいて、重要な役割を担ってきたことを垣間見ました。)
2)若手がストレッチする機会の継続提供
若手のPotentialが高いことを前提に、彼ら彼女らに徹底的に考えされるよう、
上は簡単に手を差し伸べないようなオペレーションポリシーをもっています。
3)Vision
ご存知のノンカスタマイズERP。説明不要ですね。

日本のVCはお金はだすが、VCに本当の意味で、付加価値を提供し、それが引き金となり、企業側の価値が高まり、VCとしてもReturnを向上させているところは、あまり多くない、ときいておりましたが、Globisは間違いなく、そのようなVCの一社なんでしょうね。

2008年10月18日土曜日

一ヶ月ぶり

お久しぶりです。
もう、今タームも終わり、いよいよ卒業後何をするか、をさらに真剣に考える日々が続いている今日この頃です。来週のFinalに向けて、勉強をしているところですが、今日はどうしても、備忘録として、かきとめておきたかったことがあるので、キーボードを取ります。

昨日、JPMorganのCEO(日本でいえば頭取)のJames Dimonさんの講演がDukeでありました。最初の30分は、最近の出来事(BearSternの買収、リーマン倒産、AIG救済、WaMu買収、メリル売却、FRBからの公的資金注入)を30分くらいお話され、その後は学生からのQ&Aで30分、合計60分でしたが、以下の点がとても興味深かったです。

1.Leaderとして何が重要か
「いろいろなタイプのリーダーがいるから、一つどのリーダーにも共通していることがあり、それは
Preparation(準備をすること)を怠らないことである。例えば、このCreditcrisisの中、特定の予見して行動することは不可能に近いので、最高のシナリオ、最悪のシナリオをそれぞれ想像し、それが起きたときにどう対応すべきか、準備することが、リーダーとして一番大事だ、と思う」と仰っておりました。
自分は、この夏某投資銀行でサマーインターンをやらせていただいたのですが、その事前研修(NY)のオープニングで、本社のマネージングディレクターの話を30分ほどきく機会があったのですが、その方も、「成功するために必要な要素はいろいろあるが、大事なのは、Hyper Preparationだ。」と仰っていました。準備の幅、深さ、重み、を再認識させられました。

2.日本経済
Dimon氏は、82年にハーバード大学のMBAを卒業されておりますが、その当時は、日本が、技術力・組織力・労働生産性などにおいて、米国を上回るパフォーマンスを発揮していて、いわゆる「日本脅威論」「日本に学べ」の時代だったそうで、そういった思いがあり、アメリカの栄光を取り戻せ、じゃないですが、この20年間、金融やITで世界をリードする強い経済を築いてきたんだ、仰っておりました。そのときから20年たった今、私も肌で感じておりますが、日本の価値・存在感は、随分落ちてしまいました。MBAの授業でもでてくるのは、トヨタのKanbanくらいですし、学生のアジア興味は、China一色です。日本人として、次の20年で、世の中に、日本特有のよさ、をもっとアピールしていき、世界における日本の存在感をアピールしていきたい、という熱い思いを自らに感じました。

3.今回の金融危機のリアリティ
今回の危機で、人々がPanicになり、一斉に銀行で運用していた金を引き上げ、それにより、銀行としても企業に貸すお金がなくなり、企業もCBを発行できなくなり、ワーキングキャピタルの捻出手段として、冷え切った市場でWrite-off覚悟で、資産をLiquidateし、下方修正を迫られ、それがまた市場にネガティブなインパクトを与える、というViciousCycleに入っている、ということを、生々しく話しておりました。この話をきいて改めて思ったのは、今回の危機がこれまでと大きく違うのは、この10年の急速な技術革新(IT)により、金融市場に対する企業と消費者の距離、及び異国間の距離が急激に縮まったこと(On-lineで手軽に各国の株や投資信託を買えるようになりましたし、企業の資金調達手段も同様に格段に増えました)、それにより世界レベルでこれまで以上に、一国の金融危機が、各国の経済に波及するという相互依存の関係を強めている、ということです。そんな中で、大事な事は、Accountabilityと真実を見極めようとする態度、です。昨年エンロンのケースを勉強したときにも思ったのですが、金融商品の複雑化およびそれを裏付ける金融的理論(エンロンの時は、エネルギー供給の契約をばんばん結び、その契約を資産として、SPCを作ってうっぱらい、その資産から生み出されるFutureCashFlowを予測し(ここに一つ目の裁量余地)、それを現在価値に直し(現在価値に直すための割引率設定に二つ目の裁量余地)、資産価値を作り、それを販売して稼いだり、抵当にお金をかりたり、なんてことをしていたし、今回は、MBS(Mortgage Backed Securities)で、信用リスクの高いサブプライム層に住宅ローンを販売し、その貸付利息を当てに、証券化し、さらにはそれをミックスジュースして、だれが借手か、まったくわからないようにして、販売していた)をつくり、本質を隠蔽化して、マーケットを騙す(金融商品を作った人からすると、予測が外れた)わけです。本質的になぜもうかるのか、どこが怪しいのか、がわかっている人は、今回の件で、直接的な被害を受けなかったでしょう。改めて、本質を理解できないものには、手を出さないこと、また本質が理解できるよう、情報開示を徹底させること、そういうことを、もっと金融機関側から、一般投資家に働きかけるべきですし、投資家もそういう態度で投資に望むことが、各国経済の相互依存が深まり、それが今後も加速することが自明な中、長期的なキャピタルマーケットの質の向上につながるのでは、と思いました。

2008年9月14日日曜日

2週目

今週から、いよいよFall1がスタート。Termは6週、残り4Termなので、24週しかない、と思うとDays are numbered as a student、って感じがします。
今Termは、Forecasting、FinancialReporting、Social Entrepreneurship、IndependentStudy(起業関連)の4つです。Social Entreが週1回、Fall2に跨いだコースなので、今Termは3.5コマ、これまでで時間的には一番ゆるいです。今タームからは、昨年まで学んだ知識を適用して、課題を解くためのアイディア出し、ディスカッション、自分が正しいと思ったことを以下に理解してもらうか、このあたりにターゲットを置いていきます。

2008年9月6日土曜日

Back to school!!

お久しぶりです。
8月30日の夜に、日本よりダーラムに戻ってきました。
5月27日から8月8日までは、某投資銀行でインターン
並行して、起業活動、及び結婚式、その後
両親と旅行(サミット会場のウィンザー洞爺に宿泊)
と、過去最高に充実しておりました。

さて、9月2日から授業がはしまりました。
最初の4日は、朝8時から夜6時まで、ILE2という授業です。
これは、リーダーとしてのQualitativeな部分について、テーマが与えられて
それについて考え、2年目の自分の生活に、どう
考えた結果を反映させていくか、ということを考えることが目的。
具体的には、差別、権力、倫理、Diversity、人間の生理的な反応、批判の仕方、受け入れ方など
がテーマとしてあげられました。

MBAはグローバルリーダーを育てるといっても
所詮はMajorityの米国人、あるいは米国で仕事を
する人達をターゲットにしたプログラムです。
職場での人種の扱いが、一つ大きなテーマである、
ということが新鮮でした。

あと
http://jp.youtube.com/watch?v=2pK0BQ9CUHk
やってみるといいと思います。
アウェアネステストです。(人間の生理的な反応)
この類のことを何種類もやりましたが、
一般的に、人は何かに集中すると、いろんな
意味でバランスを崩したり、外界との境界である
主観レンズに色がついたりするので、そのような
理解をもった上で、バイアスを取り除いてあげたり、
集中をといてあげて、広い視野で物事をみれるように
してあげたり、というリードが必要だ、ということを再確認しました。

来週からは、forecasting、financialreporting、social entrepreneurshipの授業が始まります。
あと、independentstudy。まだ履修が許可されるか分かりませんが、起業の調査につなげられれば、と思っております。

2008年6月2日月曜日

Summer

インターンのため一時帰国しました。
Yoroshikudesu.

2008年5月1日木曜日

Term4終了

昨日、Term4が終了しました。

今タームは、前タームの方向を継続し、学んだ知識を使って

いかに斬新なアイディアを考え出すことができるか、

にフォーカスすることがテーマでしたが、結果的には、

Term1、Term2に近い知識吸収型の科目が多く、

テーマとのずれが生じたタームでした。



とった科目は、

「DecisionModel」「Negotiation」「Valuation」「Investment」

の4つ。



「DecisionModel」

結論からいうと、この科目が一番学びが多く楽しかったですね。

Treeplan(DecisionTree),Crystalball(シミュレーション),Solver(最適化)というツールを使って、

期待値、不確実性、最適化をしながら、数字ベースで最適な解を導いていく、というのが概要。

ケースでは、訴訟、投資計画、資材調達計画などが多かったですが、自分の経験からすると、

会社の立ち上げフェーズにおける採用計画を、期待収益率や、費用予測をベースに、キャッシュが

ネガティブにならない、という制約を守りながら、いかに最適化するか、なんてテーマは、

うしろ2つのツールがうまく適用できそうな感じですね。また、例えば年1000万円ほどのBudgetを、

マーケティング活動に費やし認知度を高めるほうがよいのか、営業を1人増員したほうがいいのか、

追加で新たな情報が転がり込んでくる中、どのタイミングで、どちらを選択するか、なんて意思決定は、Treeplanが役にたちそうです。何より一番大事だな、とおもったのは、可能性、不確実性などを、正確に数値化する能力、物事を判断する際に、数値化する癖をつけることです。GarbageIn、GarbageOut。

「Negotiation」

勿論交渉術を学びました。授業の前半(60分)は、BATNA(Best Alternative to a negotiated agreement:交渉する以前の最適な選択肢)や、Aspirationレベル(目標値)、ReferencePoint(最低値)を予め決めて、交渉に臨むこと、Anchoring(先に価格レベルを提示することにより、交渉の基準を作る)、ScoringSheetの作成(交渉の評価軸、例えばソフトウェアであれば、価格、購入時期、保守条件などについて、Aspirationレベル(例えば1億円)からReferencePoint(2000万円)までRangeを決め、それぞれに点数をつける)、背反利害、一致する利害を交渉により探りながらお互いのPieを大きくしていく、などなど、交渉のフレームワークを学び、後半は、ケースを用いて、交渉をし、その結果をシェアして、ユニークな結果を出したチームの経験を共有する、というもの。自分は、営業を6年やっており、自分なりの交渉術(マインドシェアを奪う、自分のソリューションしか選択できないくらい、相手のニーズを深く理解し、提案の次元をあげる、価格交渉になった場合、交渉価格を最終的には相手にいってもらう)はあったが、今から過去の経験を振り返ってみると、MarginalCost=0円のソフトウェアの営業はかなり特殊な環境で有効な交渉術なのだ、分かりました。上のフレームワークを前提に、実際のInclassNegotiationを通じ思ったのは、①Aspirationレベルをできるだけ高く設定すること、②Justification能力(言い訳、ですね)、③相手の利害を理解するための質問力、④信頼関係、です。特に自分にとっては、①、②はチャレンジでした。自分は、あまり欲深くないのか、いつも設定したAspirationレベルが相対的に低かったですね。それから②のJustification。日本語でも難しいのに、英語で交渉をするのは、1対1ならまだしも、GroupNegotiationになると、内容についていくのがやっとのことが多々ありました。

この2つの授業は、学びも多く、授業も楽しむことができ、満足できました。

③Valuation④Investment

この2つは、Technicalな要素を多く、個人的には、楽しめなかったですね。

特に、④Investmentは、授業がつまらず、後半は、まるで小生の学部時代の振る舞いを

思い出したかのように、授業には一切でない、という、ここにきてはじめての現象がおきました。

この2つの授業を通じてわかったのは、Financeは、宗教みたいなもの。例えば、Discount Dividend Model(DDM)や、Discounted Free Cash Flow Model(DCF)を用いて、企業価値を算定する際に、多くの仮定が前提になっております。DDMは、株の配当が将来にわたり増加していくことが前提、DCFでいうと、5年から10年後の成長率の仮定が前提、などです。未来とは不確実な要素だらけであり、その中で、今入手できる情報をもとに仮説をたて、それを正当化して、数値化して、皆に信じてもらい、自らも信じる。信念がかわると、大きく化けたり崩れたり。絶対に安定することのない世界ですね。皆が信じると、さらにそれを前提にあらたな信念がうまれ、そのサイクルを繰り返し増幅し、もとに信念が壊れると、その上にある前提が一瞬にして消えさってします。サブプライムや、日本のバブル、エンロンなんか、まさにその一例ですよね。

1年を振り返って、Why MBA?のテーマの一つであった、Broaden my knowledgeについては、目標達成できたと思います。特にStats、Finance、Accountingなどの数値系については、ほぼ来る前ゼロだったという背景もあったので、よく学べました。この1年、他の人に比べ、授業を多くとりました。恐らく平均的な人と比べると、4クラス(12単位)おおいはずです。反面、社交面においては、授業の予習で一杯になり、中途半端になっていました。2年目は、これから始まるサマーインターンでの経験をもとに、授業数を絞り、これまで学んだ知識を統合し、新しいアイディアを生み出し、議論する訓練、及び社交にフォーカスをあてて、おそらく人生最後となる学生生活をEnjoyしたい、と思っております。

さて、夏休みですが、Internshipは、5月26日からなので、約一ヶ月ほど時間があります。今嫁が一時帰国をしており、12日にかえってくるので、それまでは、ダーラムでおとなしく、復習や、読書などをたのしもうかなあ、と思っております。6月1日から、日本におりますので、お時間ありましたら、ぜひお声がけください。

2008年3月6日木曜日

Term3 終了

2月をもって、Term3が終了。
前述したように、今Temrから選択科目がスタート。
内容も、Core(Dukeの場合は、ケーススタディーを織り交ぜながらも、主眼は、
基礎知識、Framework(SWOT, 5F, VRIN etc)のアプリケーションにおかれている)
で培ったものを活かし、「あなたが経営者だったら、どう判断する?」
系の本格的なケースばかりであった。
「オペレーション(今ターム唯一のCore)」「財務分析」「管理会計」「資本調達」
の4つを履修した。すべて学びは大きかったが、特に面白かったのが、
「管理会計」と「資本調達」だった。

「管理会計」
この授業は、CostManagementとPerformanceManagementの2つがテーマである。
習ってしまえば当たり前なのだが、管理会計の仕組みを、企業戦略といかに整合するか、
という観点が新鮮であった。
CostManagement。
製品の原価計算をする際に
直接費(労働、材料)のコストオブジェクト(製造業だと、製品、サービス業だと、お客様であることが多い。)への配布は、経路が追跡可能なので特に問題にはならない。しかし、、間接費(間接労働費、間接材料費などもろもろ)は、コストドライバー(配布基準)とバーデンレート(配布比率)を決め、配布するのだが、そこに管理会計上の製品原価と実際の経済的原価の乖離が、さらに掘り下げると、会社の意図、社内政治のパワーバランスの証を発見できる、ということである。例えばジョンディア(日本でいうとヤンマーのような農業機械メーカー。勿論天気予報のCMはしていない)では、予定生産量を、過去の実際生産量とは、独立して計算し、それに基づいて、間接費の予算をたてる。前年の生産量をベースに予算をたてる会社は、前年が予算以上に売れた場合には、1製品あたりの製造原価が安くなり、売れなかった場合は、原価が高くなるのだが、ジョンディアは、間接費は、固定費(減価償却費や、管理費、本社からのアロケーションなど)だと考えている。またそのように立てた間接費をさらに、ActivityBasedCosting(ABC)にて、個々の製造プロセスのコストドライバーを綿密に決め、コストオブジェクトに配布している。資本集約型で、継続的投資が差別化の主な要因である、ジョンディアにとって、正確が原価の把握が、経営戦略上肝であるからだ。間接費の配布基準として、直接労働費や、直接材料費が使われることが多いのだが、例えば、基準が直接材料費の場合、労働集約型の製品の原価が必要以上に安価に計算され、材料費は高く、加工も機械ベースで、ほとんど直接労働費を使わずに製造できるような製品の原価が、過度に計算される。それをもとに値段設定をするので、直接材料費のウェイトが高い製品は売れずに、淘汰されていく(DeathSpiral)。その裏では、恩恵をうけている部門が、このコストシステムの延命を画策している。
PerformanceManagement
社員のインセンティブをいかに高めるか。社員をどう評価するか。
単純に考えると、評価の仕方は、2つ。
行動をとっているか、業績をだしているか。管理部門は前者、
ProfitCenterやInvestmentCenterは後者で評価されることが多い。
ケースで面白かったのが、あるOnlineShopのCIOの話。
このCIOは、On-lineShopビジネスにおけるすべての権限が与えられており、
評価は、On-lineShopにおける業績できまる。1年目は順調に売上を伸ばし
目標を達成したが、2年目の夏に、OutsourceしていたServiceProvider(NTTみたいなところ。全米最大手)のサーバーがダウンし、10日ほどビジネスがストップしてしまう。
まだ2年目ということもあり、CIOは、10日の休業で
失った信頼回復のために、多額な広告費用及び総量無料(この会社は確か木製バスケットをうっていた。)のサービスを一時的に展開した。結果通期で、目標を大幅に下回ってしまった。
さて、あなたがCEOならこのCIOをどう評価する。
理論でいくと、「すべての権限が与えられており」、「業績で評価される」ので、Outsource先のサーバーがダウンすることも見添えて、その場合の過失をServiceProviderに請求できるような条項を契約を盛り込んだり、それが無理であれば、Emergency用のサーバーを別の会社と契約したり、保険をかけたり、といった手段を常日頃とっておかなければいかんし、そこで生じた損失を補う活動を含めて、すべてはCIOの責任、となる。このケースに直面するまで、権限が与えられて業績で評価されることの意味を、ここまで考えていなかった。

「資本調達」
いつ、いくら、なぜ、どのように、資金調達をするのか。
これが、この科目のテーマ。
小生、金融業界とはどんな世界か、具体的なイメージをなかなかつかめないでいたが、
この授業を通じて、かなりはっきりイメージがもて、かつ求められるスキルについても、
肌で感じることができた。
Enronのビジネスモデル、TiffanyのLBO(Tifannyは一時期Avonの子会社だった)、
製薬ベンチャーのIPO、RegionalBankの地元企業からの借り入れ依頼への対応、
保険会社の資金運用、ファイナンス会社のIPO、フィリップモリスのDebtFinanceなど
12のケースを扱ったが、ひとつひとつ今でも割と鮮明に覚えている。
特に個人的に面白かったのは、RegionalBankの地元企業(BeerMaker)からの借入依頼への対応
のケース。このビールメーカー(エールビールのみ)は、すでにこのRegionalBankからお金を借りている既存顧客。資金調達の目的は、ラガービールへの参入に際するビール工場の設立資金である。
そもそもラガーが売れるのか、売れなかった場合に備え、ラガービールのビール工場を担保にとる意味があるのか、他に担保として何があるのか、ワーキングキャピタルは、工場設立後どう変わるのか、ラガービールのビジネスがうまくいく可能性をどうMonitoringするのか、などなど包括的に、資金調達を受ける際に発生するリスクを把握し、それをヘッジする手段を考案し、採算分析し、それをCovenant(契約)に盛り込み、後は祈る(笑)。これがすべてではないだろう、銀行マンの主業務のひとつであることは間違いないだろう。金融業界の重要なスキルは、いかにリスクを包括的に把握し、それをヘッジする手段を考え、不可能を可能にするか、だと思った。正確なリスク把握力、リスクヘッジ力、及びリスク許容度、この3つが、金融業界で成功する上での重要な要素だと感じた。

冒頭にも書いたが、この2つの授業に共通していたのが、
1)Coreで学んだことのフル活用が前提になっていること
2)最後は、いつも「あなたならどうする?」であること
の2点である。

とくに2)については、自分の思考プロセス、コミュニケーション能力、精神が試される
もっともチャレンジングでエキサイティングな部分である。

Term1・2では、知識習得を主眼にしていたが、
Term4は、さらに2)において、いかに自分らしさ、を表現できるか、
ここにフォーカスをあてていきたいと思っている。

来週末まで春休み中なので、それを利用し、週明けから、
軽く旅行にいってまいりやす。

2008年2月6日水曜日

Distinguished Speaker Series

-回りの人の成長を促す

-責任をとる

-有言実行

-キャラクター(チームの目的を最優先)

P&GのCOOの講演。リーダーシップとして必要な要素4つ。

別に目新しい話ではないが、何度聞いても、
「そうだよね」と頷く話。結局理解していても実践することが
恐ろしく難しい。

自分は、この留学の一つの目標に
「リーダーシップをグローバルな環境においてとれるようになる」
ということを掲げている。これまで、チームワークにおいて
リーダーシップをとれてきたか、というと、
1)とれた点(PeerFeedbackから)
責任をまっとうする点、チームの潤滑油としてチームを纏める点
2)とれなかった点(PeerFeedbackから)
強いArgumentに基づいた主導型リーダーシップ。

1)の責任も、個々に割り当てられた課題に対する責任だとおもうので、
して当たり前のこと。

上の1)2)や4)がなぜ実践できないのか・・・。
余裕、だと思う。

時間的な余裕、精神的な余裕、理解の速さ、頭の回転速度から生じる余裕、
知識からくる余裕、立場的な余裕・・・。

なぜ余裕がないのか・・・。
TimeManagementに改善の余地あり
英語の理解が遅い
勉強が足りない
英語のコミュニケーション能力向上に注いでいる時間が足りない
自己管理能力が足りない

どれも短期間に解決できる問題ではない。
日々の努力の積み重ね、これしかない。
そして、これもまた、言うは易し、行うは難し。

2008年1月27日日曜日

思考がとまるとき2

間違った英語の理解を前提に、物事を積み上げようとしているとき(悲しい)

思考がとまるとき

仮説をたてないと、次に進めないにもかかわらず、仮説を立てず、事実を探そうとしてみつからない時。

2008年1月18日金曜日

AIU

といえば、保険会社を思い出す人が大半だと思いますが、ここでいうAIUは、Ambiguity、Incompleteness、Uncertaintyの頭をつなげたもの。Term3がはじまったが、選択科目を教えている教授はCoreの教授よりも質が高い。教える内容の性質(Core=基礎、Elective=応用)にも依存していると思うが、内容がしっくりくる。ManagerialAccountingの授業は、朝8時からと、かなり早いが、おかげでキャパ70名の教室に、10名しかいない超おいしい授業。いわゆる管理会計の勉強なのだが、結局なぜ会計をやるか、の彼の持論は、AIUをうまくあつかえるようになるため、だそうだ。AIUはリスクだから、それを回避するために、安定した組織、ポジションにいる頭のいい人がたまにいるが、そのような人に限って、何かが足りないと思うことがある。それは、まさにこのAIUのハンドル能力だと。この部分のシミュレーションができるとおもって、この地にきたのだが、漸く自分の本当にやりたいことにつながる授業にめぐり合えた感じで、興奮している。やったー。

2008年1月16日水曜日

Term3 いよいよスタート

明日17日から、Term3スタート。就職活動せず、勉強に集中できる状況であり、かつ前タームまででの自信を踏み台にできる、という意味で、これまでのTermで一番楽しみである。授業中の発言の量を増やすことが、今Termの一番の挑戦。そして、今Termからは、成績に拘る。さらに、Electiveでは、自分が勝てない奴と、極力チームを組むようにする。この最後の部分は、すでに、今タームのElective2つにおいて、今日メンバーを確定させた。一言でいうと、SuperPositive(超積極的)が、今タームのテーマだ。そんなこと書いて、実は、1ヶ月日記がかけないような状況を作らないようにすること、これが一番の挑戦かもしれない。

2008年1月10日木曜日

小旅行


Flexタームという、Wintebreak期間の授業をとっているため、

1/3~6まで、正月早々授業があった。12日に期末試験だが、

それまで約5日間ほど休みなので、その休みを利用して、アシュビル、

チェロキー、及びガトリバーグにいった。私が住んでいるDurham

からは、アシュビルが車で3時間半かかりる。そこからさらに西に1時間で

チェロキー、さらに1時間今度は北にいくとガトリンバーグだ。チェロキー、ガトリンバーグは、全米では有名な、グレートスモーキー国立公園近辺に位置する。結論、鎌倉や箱根のような場所をみつけたようだ。自分が住んでるダーラム、近所のチャペルヒル、大都市シャーロットと、自分の中では、やや見所が少ない場所であったが、上の3つはそれぞれ特徴があって、再訪したい、日本から友人が訪ねてきたら紹介したい、と思った。アシュビルダウンタウンは、田舎町でありながら、結構こぢんまりとしていて、おしゃれな南部レストランや、帽子屋とカフェのコンボにしたお店、100年以上前に作られた建物、バロック様式やアールデコ様式のたくさんの教会もあり、適当に人と車がいて、くつろげる雰囲気に惚れてしまった。ショッピングモールのように、とってつけたのっぺらボーコピー店と違い、それぞれの建物が個を発信している。その後同じくアシュビルにあるビルトモア邸にった。ビルトモア邸は超有名な観光地。写真がそれだが、これすべてがビルトモア邸の敷地である。(総面積約32Km2) 地下フロアーから4Fまであるが、しっかりみれば1時間はかかる大邸宅。リッチで優雅な気分になりたい人、お薦めだ。ガトリンバーグは、グレートスモーキ国立公園の観光拠点として発展した町。夜になると、イルミネーションがきれいで、とてもメルヘンチックだ。お店もたくさんあり、なんとハードロックカフェまである。新緑がきれいな春か、紅葉がきれいな秋に、グレートスモーキ国立公園の観光の際に、再訪しようと思った。チェロキーは、インディアンの町。以前、サンディエゴで、インディアンの町にいったときもそうだったが、どうもインディアンとカジノの結びつきが強い気がする。しらべてみたら、1988年にアメリカ連邦会議は一定の条件付下で先住民部族のギャンブル事業の運営を認める案を可決したそうだ。インディアンにとって、現代社会でいきていく上での重要な経済収入になっているそうだ。マシンは、Harrah's entertainmentのものだった。ん~アメリカン。

2008年1月2日水曜日

Happy 2008

08年明けましておめでとうございます。
前回の日記から、約1ヶ月。
期末試験、FlexTerm、20日より、日本一時帰国後は、限られた時間でしたが、友人や前職の人との交流、結婚式場及びサマーにお世話になるところの視察、おいしい日本食三昧っと、あっという間でした。さて、08年。自分の今年のテーマは、『個性の顕在化』です。
もうそろそろ、素直さや、謙虚さ、礼儀正しさ、まじめさだけではいかんと思うのです。
人とぶつかっても、自分の個性をより大事にしていきます。
後、今年は出来る限りシンプルに生きます。
この二つは、相乗効果がでるコンセプト同士。
二つをうまく融合して成長のスパイラルをかけあがるぞー。