2007年8月14日火曜日

Institution

先週から、MBAのレギュラークラスはスタートしましたが、本格的には、今日が初日でした。2コマ(1コマ3時間)授業がありましたが、どちらも興味深かったです。目から鱗まではいきませんでしたが、Institionから物事を捉える、というコンセプトのボツワナのケーススタディは面白かったです。Institionというのは、日本語訳でいくと、「設立」とか「慣習」とか「制度」とかいろいろな訳がありますが、ビジネスの視点でみたときには、「物・人・情報・お金を円滑に回していくための制約」という定義です。例えば、小生の経験でいうと、トヨタ関連企業にIT関連の製品をセールスに行っても、基本、一見さんはお断りされ、またアポをとれて、キーマンにお会いできたとしても、なかなか購入してもらえません。物、人、情報を『円滑』にまわすための策として、著しく確立された人間関係に依存して、意思決定をしていく、それが、トヨタのInstitutionです。もっと明らかなのは、具体的に法律、とか権利なんていうのも、Institutionですね。知的所有権とか、独占禁止法なんかをイメージすればいいのでしょう。で、当然このようなInstitutionはFormalなものもあればInformalなものもあります。先のトヨタの製品選定方式なんかは、Informalでしょうし、独禁法なんかはFormalなものです。話が少し脱線しちゃいましたが、ケースでは、FormalなInstitutionに注目し、さまざまな統計データから、結果として、各国のGDPの成長率と、FormalなInstitutionの質量を計測する指数との間に強い相関関係が見られる、ということが、わかりました。何が面白いなあ、とおもったかというと、Institutionってビジネスのネタそのものだということです。例えば格付け会社(Moody'sやS&P)なんかは、資金をグローバルスケールで円滑にまわすために必要なInstitutionだ、と思ってできたのだろうし、証券取引所なんかもそうですね。また、小生がこれまでやってきたITソフトウェアベンダーにおいても、InformalなInstitutionがないと、当然売れないですね。超大手(OracleやSAP)であれば、ブランドと実績が、Institutionとして機能しているから、取引コストを下げられる、とも考えられますね。逆に、いいInstitutionがあれば、もっと売れる会社ってのもたくさんあるはずですね。そんなInstitutionが作れれば、ビジネスになるかも、です。もっと円滑にまわせるのに、回っていない業界、企業、地域、国。逆に、新しいInstitutionが国や、知事により、施行されることによって、生まれるビジネス、なんていうのも、あるはずです。ではまた。

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